銀歯が取れた時

銀歯が外れたのでとにかく着けて欲しい、というご希望をされる患者さんがいらっしゃることが あります。これについて患者さんの要望通りに着け直すことができないことがあります。
どのような背景があるのか、過去の実際にあった患者さんからのお言葉に 解説する形で述べたいと思います。

  • 取れた物を着けるだけなので、すぐに終わると思うんですけど、今からすぐにやってもらえますか?」
    →着けるだけで済むかどうかを調べる時間が必要ですので、通常の診査を行った上で判断させていただきます。
  • 「何はともあれ、とりあえず着けてもらえればそれでいいので、着けてください。すぐにとれても構いません」
    →患者さんの要望や同意があったとしても歯科医は無茶苦茶な診療をして良いわけではありません。 歯科医が再度着けられないと判断したものはたとえ強く希望されてもお断りさせていただきます。
  • 「着けるだけなのに何故レントゲンを撮るのですか?」
    →その歯の神経が生きているか、虫歯がないか、どの程度歯周病が進んでいるかなどの状態を判断するために必要です。 虫歯があるまま、あるいはぐらぐらで抜く必要がある歯に着け直すことはできません。

NHKのハーバード白熱教室という番組で本人の同意があれば非倫理的な行為は許されるのか、というテーマを扱っていました。医療行為においてはもちろん許されません。医療関係者には高い倫理観が求められます。
そんな事は当然ではないのか、と思われる方も多いと思いますが、現実には全く当然ではありません。
患者さんの言われるままにしてしまう者も残念ながら多いです。

なお、当院で治療したものがとれることは極めて少ないです。